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空想毒科学小説:ドラエムオン
第166話:シスコ


「タバコが目に染みるぜ」
 幾重にも折り重なったビルの頂きで、タバコを片手にたたずむノーヴィス。
 彼の目の先には、多次元廃棄ホールから投下され続けるビル群。
 リアルに見えるのは、増えすぎた情報のせいだ。現実の質量を凌駕し、拡大する仮想空間アンリアル。全てはリアルな質量をもつ。
 のそのそ歩き出すノーヴィス。
 視界に入ってきたのは、
「シスカ」
声をかけるノーヴィス。
しかしシスカの返答は「あ...a...」だけ。
「言語野までもっていかれたか」
ズンッ....
突如落ちてきた、直径30m強の"肉ドラエムオン"。
巨体となったのは、容量超え、情報を蓄積しすぎたための末路だ。
「バイショォォォォオォ!!!」
叫びながら、肉塊から無数の触手がのびる。
蓄えることは叶わないのだが、襲い来る触手は、それでも貪欲に吸収しようとする意思の現われか。

ザクザクザクザク!!!!

地面に突き刺さる触手。
ノーヴィスの運動をつかさどる脳の部位の情報を、シスカの空になった脳に転写。
宙へ飛んで回避したノーヴィス/シスカ
シンクロシニティ!!ふたりはひとつ!!
合体攻撃がきまったぁぁ!!
「訓練の成果が出たわね」と、ノーヴィスの母(絶対美人)。
横ではねる、四肢を切断されたドルアミ。
「キャシー!キャシー!」
よろこんでいるようだ。
突如ドルアミのみぞおちに重い一撃を加える母。

ドスッ!!

「けーーーっ」
声をあげるドルアミ。
イイ表情してる絶対美人母。
ホールから投下されたビルに、押し潰されるドルアミ。
嗜虐心を満たす為の美少女生命。
だが……

「お……にいちゃ……」

ズグルァボシャッ

 お決まりのアイキャッチが流れ、番組はコマーシャルへと突入した
 巨大な「G」ロゴを背景に、佇むシスカのアイキャッチ。
 コマーシャルは15秒サーチで手早くカットされ、すぐに後編が始まる。


「小便少女もいるッ!!!!!!」
 ノーヴィス、斬れるような蹴りをくり出す。
「へぇーっへぇーっ!!」
 目をギョロ剥きながら、巧みに蹴りをかわすドラエムオン。

ガシッ!!!

 脚を捕えたドラエムオン。
「....5へぇ...」

バキッ!!!!

「ごへぇぇぇぇっ」
ノーヴィス、血ヘドドドドッ!!


 16時間後、ノーヴィス家――
 地下250m 遺棄セクター。
「おお、ノーヴィ...」
 待ち構えていたのか、センセ。
「ノォーーーヴィィィィィィィ!!!!」
 迫りくるセンセ。
「またゼロカウントか、ノーヴィィィィ!!!」
「懲りない奴だぜ」
タバコを吐く万年ゼロカウントのノーヴィス。
”ゼロカウント・ノーヴィス”――ゼロは限り無く無限に近いッ!!
「レンゲッ!!」
ノーヴィスの一撃。
「サバイブッ!!」
 電磁隔壁で防御するセンセ。
「ちっ……ここら一帯の電磁隔壁の制御キーを、握ってやがるのか……」
「貴様に期待なぞしとらんわッ! だが……貴様のセンス……センスは……嫌いじゃないぞ、嫌いじゃないぞォォォ」

ドンッドンッ!!

 地面から生えてくる隔壁。その角にアゴを殴られ、空中にとばされるノーヴィス。
 宙で回転する体が、センセ方向に頭が向いた瞬間、ミサイルのように突っ込んでいくノーヴィス。
「貴様の遺伝子提供者もそうだったなァ~!!懐かしいなぁ!!」
「押し通るッ!!」
「俺が!貴様と!貴様の遺伝子をッ!データをッ!教育してやるッ!!!」
「俺のパーソナリティーッ!!誰にも渡すもんかっ」
「ゼロノーーーーーヴィスッ!!!! 教育とはッ!!!」
「……俺の『物質化』が勝つか……やつの、論理武装が勝つか……俺にもわからねぇ。でも、やるしかないんだ!!はぁぁぁぁぁぁっ!」
「ノーヴィィィィィ!!!!」
「検索ッ!検索ッ!構築ッ構築ッ!!再生成っ!」
 ノーヴィスが巨大なデータの剣を、形成するっ
「教科書に載ってない事!!! これが答えだっ!!!」
「物質化になんぞ頼りおってェ」
 苦い顔のセンセ。
「ノーヴィィィィ!!!廊下へ立っとれぇぇぇぇ!!!!」
 センセが、何処迄も続く無限廊下を、構成した。
 その中に取り込まれるノーヴィス。手には、バケツが固定されている
「お、も、いっ」

ズンッ!!

 重みで廊下にめりこむ脚。
 視界が白む。

 結論からいうと、ノーヴィスは勝利した。
 だが、物質化は等価交換が原則。ノーヴィスの失ったものは……右腕3本、左脚12本にも及んだ。


 同時刻―――
「フ....あっちも派手にやってるみたいね」
 笑みを浮かべる絶対美人母。眼下にいるのは、何体かのドルアミ。
「助けにいきたいでしょうけど、そうはさせないわ」
 絶対美人母の冷徹な眼差し。
 断片化の激しいセクタ。
 容量を越え、一杯になったアンリアルのサーバから、オーバーフロウしたビルが絶え間なく降り注ぐ。
 途切れる情報。
 この感じ……
「そう……落ちる……のね、わたしは。落ちたら、どうなるんだろう。この、ネットワーク空間の外は……一体……」
 みな、落ちないように必死でオンラインでいる。
「落ちたくないっ、落ちたくないよぉぉぉ!!」
「ばかっ!!寝たら、寝オチしちゃうっ!」
「dるaミ……」
 ここは寒い。欠損し、落ち消えゆく質量。
 寝れば寝落ちしてしまう。
「このドルアミ、毒が無い……」
 一瞬、眼前の光景を疑う絶対美人母。
「まあ、ドルアミは骨まで食べられるからいい」
 そういうと絶対美人母は皿に載ったドルアミにフォークを突き立てた
「じ、じらぁっ...」とドルアミ


 その頃、航空自衛少女帯から送りこまれる、大量の催淫剤により、シスカの脳髄は変質寸前だった。
「あぁ……誰か私を更新してっ!!」
 奇跡的にシスカの言語野は解放されたが、その声が誰かに届くことはなかった。
「えへ、えへへへ」
「ああっ...遅かった」
 降り注ぐビルの中から出て来た、セワC少年。
 シスカを求め、多次元廃棄ホールを抜け、アンリアルへと望んだ一人だ。
 しかし、無理なDLは、あたりのセクタに不良を招き、ビルの落下を一層酷くしていた。


 同時刻―――
 ドラエムオンは、ミミズ腫れから巨大ミミズを練成するテクニックを習得していた。

written by Drakle__Original Resource by JNT&rendat 2004


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